ロバ





ロバ(驢馬)=奇蹄類、ウマ類、ウマ科、ロバ亜属
古名:ウサギウマ(ウサギのような耳をしたウマ)
英名:Ass or Donkey
学名:Equus asinus
動物園での名前:ドン
性別:雄
食べ物:草
寿命:野生では25~30年、飼育では40~50年
出身: アフリカ、アジアに分布。現在は世界各地で野生化も‥
体長:約1.5~2.2m 尾長:約30~50cm
特徴:耳が長く顔が大きい。おとなしい。
生息状況:ふつう種(種によっては絶滅または絶滅危惧種)

崇拝され、けなされた動物
通常ロバはアフリカノロバ、アジアノロバの2種7亜種が存在し、北アフリカやアジアに分布。多くが家畜化され、その品種数は35以上にもなる。
ロバは外見以上の力持ちで世界中に点在しどんな環境にも大抵は耐え抜いていく。そして、大昔から人間と共存してきた動物でもある。知能が高く、感情があり飼い主の愛情があれば犬以上の働きを見せてくれる。現在でも過酷な土地で人間と共存して生活を手助けしている優しい動物になる。

~ロバの歴史~
最初に家畜として飼われ始めたのはエジプト時代、野生種であったアフリカノロバと思われており約5000年も前になる。そのノロバとはロバの原種であり、同じウマ類にあたる。そして、古代エジプトでは、ロバは憎しみの対象とされ、悪神セトに捧げられたという。
一方、旧約時代、ユダヤ人ではロバを荒野における乗り物として重宝がり、人間を水源に導いてくれることから崇拝もした。また、「王様の耳はロバの耳」で有名な童話も、この話が生まれた古代フリュギア地方(今で言う小アジア地方{トルコを中心としたイタリア、サウジアラビア周辺}のこと)ではロバを神聖視し、王をロバの耳で飾り立てる風習があったことにちなんでいると言う。
中国では体力がなくなり歳をとったロバを食べたりもするのだ。中国ではロバは褐色、その肉は調理次第で絶品の美味しさを味わえ、その肉は狂気やうつ病の治療薬とされた。だが妊婦に食べさせると難産になるといわれている。それと、ロバの皮から毛を取り煮つめることによりアキョウと言う漢方薬が取れる。その主成分はコラーゲンで、血を作ったり、止血する作用があると考えられている。

時が経つにつれ、人々からロバ崇拝はすたれていった。古代エジプトのようにロバは遇鈍、邪悪な動物としたことが一般になってしまった。西洋では、馬鹿、愚か者の象徴の意味を持っているほどである。貧しい農民が育てられる動物であり、富農が育てるのは馬や牛を育てていたため貧乏人の象徴として馬鹿にされていた時代もあった。ただし、現在のヨーロッパには、ロバに百日咳(ひゃくにちぜき)を祓う魔力を認めて信仰している地方もあると言う。たとえばロバの毛をパンに挟んで食べたり、ロバの背中に乗って足の間をくぐりぬけたら病気にかからないとかもあるみたいだ。
他にも理由はあるのだが大体は同じような意味だ。確かに、過酷な環境にも耐え、貧しい餌でも長く生きていける動物なので、貧しい農民にはもってこいの生き物だったろう。
このように、良いか悪いかは別としてロバは人間と長く深い関わりを歩んできたのだ。時には人と共存し、時には愚鈍の象徴、時には童話の中に出された。今現在でもロバ=馬鹿とかの意味になる国もある。
ちなみに、ソマリアノロバはソマリア内乱の影響で激減したため現在はイスラエルの野生保護区で飼育されている。アフリカノロバは今は絶滅危惧IA類に指定されている。一方、ハワイでは野生化したロバが多くいると言う。

備考
ロバの属名エクウス(Equidae)はウマを示すラテン語、英名アス(ass)は、ロバのラテン名アシヌ(asinus)そして、英名ドンキー(Donkey)は一説によると男性名ダンカン(Duncan)の愛称からきたと言われている。また、体色との連想から英語のdun「こげ茶の、黒ずんだと言う意味」からちなむとも言うらしい。しかしダンカンって誰だろうね。


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