イエネコ=食肉目 ネコ科 ネコ属
英名:Cat
学名:Felidae
出身:世界各地(町、山、海辺、砂漠、森林など)
食べ物:食肉性:(魚、ネズミ、ヘビ、トカゲ、鳥、など)
体長:約30~50cm、尻尾30~40cm
寿命:約15年~20年 ギネス記録34年
特徴:大きな目と大きく尖がった耳、小さいな鼻と口
生息状況:ふつう種(地域によって駆除あり)
漢字:猫または寝子
別名:ネコマ(鼠子待)
人々を戸惑わせ魅了させてきた猫の魔力
生態
ネコ属28種の内の1種が人間と共存するイエネコ(飼い猫)である。原種はヤマネコの一種でリビアヤマネコになり、これがヨーロッパなど世界各地へ広がったイエネコ祖先であるといわれている。
ネコはライオンやチーター同様に待ち伏せ型捕食動物であり、出し入れができる爪、音を立てない歩き方、動物特有の体臭が少なく、狩に適した身体能力を持っている。なにより平衡感覚、瞬発力、跳躍力、柔軟性、そのら身体能力はずば抜けて高い。
走る速度は時速約50kmといわれ、瞬間的に最高時速に達っすることができる。ただ持久力がなく長くは続かない。
ネコは主に夜行性で木などの高い場所、そして暗く狭い場所を好む。飼猫に限っては睡眠時間が13時間~20時間と1日の大半は寝て過ごすことが多い。餌が与えられる環境だと寝るしかないのだろう。繁殖期は冬から春の始まり頃と春から夏の終わり頃の2回になり、その時期のメスネコの鳴き声は人間の子供の泣き声によく似ている。そして、一年で平均2回ほど妊娠し、妊娠期間は約60日ほどになり、一回の出産子数は2~6匹ほど産まれる。
歴史
飼猫の風習は古代エジプト第12王朝時代まで遡る。エジプトではネコを神聖視して豊饒の女神イシスに捧げたという。その頃のエジプトでは飼猫を殺したりした者には死刑が宣告されるほどだったようだ。そして、ネコが亡くなった時は死体をミイラとして埋葬するなどとその崇拝は徹底されていた。
エジプト以外のヨーロッパ各地ではネコを飼う風習はまだ無かったようだ。その頃、鼠を捕まえるためにはネコよりもイタチを使っていたらしい。
そして、エジプト人のネコ崇拝を知ったペルシア人は2500年前の戦争で兵隊にネコを持たせ進軍させたという。これを見てエジプト軍はやはり、ネコが傷つくのを恐れ攻撃できなかったみたいだ。最後は猫を城壁へ投げ込む行為をし、エジプト軍は仕方なく城門を開けたという。猫を盾に使ったペルシア軍は汚いと思うが自分の命より猫の命を守るエジプト軍は何とも言えないところだ‥‥この他にもネコを戦争に使った例はまだあり、1535年ではハプスブルグのクリストフが有毒ガスのビンをネコに取り付けて敵中に放ったという出来事があったみたいだ。
ヨーロッパで飼猫が広まったのは紀元後のことで、ローマには4世紀頃、北ヨーロッパには中世初期に広まっていったという。中世の間にはもっとも人気のある愛玩動物として定着した。
しかし、猫の人気も上がり下がりが激しく、時には魔女の化身、子供の命を吸い取るなどと言い伝われ宗教的に極端にイメージが悪い地域が増えていった。近世初期のヨーロッパでは動物をいじめて慰みとする風習が広く流行し、猫イジメは庶民の気晴らしとなっていた。フランスでは謝肉際の饗宴の終わりに、男達が一匹の猫の毛をむしってうなり声を上げさせて楽しんだという。また、聖ヨハネ際では袋詰めにされた猫を焚き火に投げ込むのがパリ市民のならわしでもあったらしい。宗教改革時代には新教徒達が毛を刈り上げた猫をカトリック僧に見立て、僧衣を着せて絞首台につるし上げた。これほどまで虐待されたのは猫が悪魔や魔女の化身とみなされ、その魔よけには肢を4本折るなどとして不具にすれば良いと信じられていたからだという。中世フランスでは新築の壁に生きたままの猫を封じ込めて魔よけとする風習もあったようだ。
猫の虐殺はこれだけではない。1730年パリのサン・セブラン街にあった印刷工場では親方の妻が可愛がっていた灰色の猫を含め工場周辺にいた猫を徒弟や職人がいっせいに撲殺し、生き残った猫も絞首台にかけ、もの笑いの種にしたという大虐殺があったという。
一方、イスラム教徒は猫をよく可愛がっていた。ハトを可愛がっていたマホメットが同様に猫も好んだと伝えられていた。マホメッドがダマスカスという地にいる頃、猫のための病院や養老院が作られ、エジプト同様に猫を殺す事を法律で禁止されていたほどだった。今でもイスラム圏では猫のために家の外に残飯などを置いておく光景が見られるという。
中国、インドなどの仏教では猫は凶獣とされていた。伝説によればお釈迦さまが病で倒れた時、天上の耶麻夫人(やまぶにん)が薬袋を落下したところ、木の枝に引っかかった。そこで、夫人は鼠に命じて薬を取らせようとしたが猫がその鼠を食べてしまったという。そのため、お釈迦さまはそのまま亡くなったという。この話により猫は仏教徒の敵となり数多くの伝説が語り継がれ猫鬼と呼ばれるようにもなった。
中国の博物誌によれば、猫の瞳は時刻を表す役をするという。子、牛、卯、酉の刻では線のように細くなり、寅、申、巳、亥の刻にはまん丸くなり、辰、戌、丑、羊の刻には種のような形になる。もしも時計が無い暮らしをしたいなら変わりに猫を飼うのもいいかもしれない。ただし、一日の大半を寝て過ごすので時計の役もたたないかも‥
ちなみに、確実な話ではないが、日本に来たのは仏典将来と同じ時期だと言われている。それは仏典を輸送中に鼠に食べられないようにとネコも一緒に輸送されたことが始まりだという。これが本当なら、仏教徒の大切なものを敵(鬼)扱いしてきた猫に守らせていることが面白い。