カワラバト


カワラバト=ハト目 ハト科 カワラバト属
英名:Rock Dove
学名:Columba livia
出身:アフリカ北部~中国、ヨーロッパなど
食べ物:草食性(草の種、木の実など)
体長:約33cm
寿命:約10年~15年。長生きで20年ほど。
特徴:胸をよく張り上げ、首を前後に振りながら歩く。足と虹彩は赤色、翼に二本の黒帯あり。全体は灰青色。
生息状況:ふつう種。地域により増加中。ワシントン条約付属書Ⅲ掲載種。
漢字:河原鳩


紀元前3000年前から伝書鳩として働いていた!!!!


ハト科は39属308種(絶滅種を除く)ほどおり、極地と砂漠を除く全世界生息し鳥類の総称とされている。その中のカワラバトは本来、アフリカ北部~中国、ヨーロッパに生息しているが、デンショバトやドバドのように家禽用に扱われ世界中に持ち込まれた。そして、家禽化されたドバドやデンショバトが再野生化していったものが世界中に分布したと言われている。繁殖力がとても強く、通常2個の卵を産むが飼育中でもまた卵を産むという。本来、低山や海岸などの岩棚に営巣しているが、今では市街地のマンションなどの窪みに営巣し、天敵である猛禽類の減消と公園での餌やりが原因で地域によっては大繁殖している。
大繁殖した被害も多くでている。ハトの糞による建造物の汚損が深刻になっているという。そして、その糞には金属の腐食を促進させる作用があるようだ。また集団で生息しているため伝染病がまわる事が早いという。

歴史
カワラバトを家禽化したものをドバドと言うが、その中でもっとも方向感覚、長距離時間飛行が優れているハトを改良、そして訓練し、通信手段としてデンショバト(伝書鳩)にした。鳩にはもともと特別な能力があり、渡り鳥などに必要な地球磁場を鋭敏に感知できる生体磁石が備わっており、これにより、並外れた方向感覚をもっているという。カワラバトには渡り鳥のように場所などを記憶する海馬が発達していなかったが、人間の訓練により脳が発達し伝書鳩になれるほどの能力が備わったという。
伝書鳩は紀元前3000年も前からエジプトで漁船が漁況を知らせる通信として活躍されていたという記録がある。その後、古代オリンピックに各都市が競技の記録を送るために利用し、ローマ帝国では軍の連絡用に利用。第一次、第二次世界大戦でも軍用として取り扱われ、一時は軍用鳩と呼ばれることもあったという。
1950年以降は有線や無線通信などが開発され実用性を無くしていった。
現在はハトレースと言う競技のために飼われることが多く、レースバトと呼ばれるようになった。

現在のハト実験で、ハトはカラスやインコに負けないほどの頭脳を持っていることがわかっている。まず絵を見分ける事ができる。これは、ただ、別の絵を見分けるだけではなく、シャガールやゴッホの絵を見分けるのだ。たとえば、ゴッホの「ひまわり」を見せたとすると、そのゴッホの絵のタッチなどの作家の特長までも見極め、鑑定士なみに記憶するという。ハトはこのように記憶する能力が長けているという。これは長年にわたり、人間が5000年もの間、伝書鳩として訓練していきそれに順応してきた結果かも知れない。
やはり、人間の次の世代は鳥かもしれない‥猿の惑星「創世記」の鳥バージョンもあってもおかしくない。と思う。

ちなみに、中国ではハトは食料として売られている。日本に来た中国人がまず驚くのは公園に沢山いるハトらしい。文化が違うだけでかなり食べ物が違うのが驚きだ。