ユリカモメ=チドリ目 カモメ科
英名:Black headed Gull Common Black headed Gull
学名:Larus ridibundus
出身:アジア ヨーロッパの広い地域
食べ物:魚、甲殻類、昆虫など。魚や動物の死体なども食べる。
体長:37~43cm
寿命:平均10年~13年
特徴:目の後方に黒の斑。嘴と足はオレンジがかった赤色、嘴と翼の先は黒い。
生息状況:ふつう種。地域により増加報告あり。「日米渡り鳥条約」「日露渡り鳥条約」「日中渡り鳥協定」指定種
漢字:百合鴎
別名:都鳥
実は東京都の鳥?!
生態
カモメ科はカモメ、ゾウゲカモメ、ヒメクビワカモメ、クビワカモメ、アカメカモメ、ミツユビカモメ、の6属51種がいる。その中でもカモメ属は45種が存在し、それぞれが近似しておりとても見分けがつきにくい海鳥になる。そして、南極を除けば世界中に分布している広範囲の渡り鳥になる。
ユリカモメはオホーツク海沿岸からカスピ海、黒海を経て、イギリス・アイスランドのアジアとヨーロッパの広い地域で繁殖する。沿岸の海や川などに生息し、繁殖期は4月~8月に内陸の湖沼畔に大きなコロニーを形成し、砂地や草地などに草を積み上げた巣を作り、卵を2~4個産む。抱卵は約23日、雛は焼く42日で巣立つみたいだ。若鳥は初め尾の先が黒色で嘴と足は橙色に近いが2年目の冬には成鳥羽に変わる。冬期にはアメリカ東部、北アフリカ、インド洋、東南アジアなどに渡り、日本では主に北海道から沖縄の太平洋側に渡来する。日本での生息は主に海岸、内湾、河口、港湾などに生息するが、たまに河の上流でも見ることがあるという。
近年では個体数の増加もあり、京都の賀茂川では1974年までは見ることが無かったが今では1000羽を超える数が越冬しているようだ。
人との歴史
ユリカモメは別名で都鳥と呼ばれることがある。
それは、平安時代の歌物語「伊勢物語」でこんな文があったことからだった。「白き鳥の嘴と脚と赤き、しぎの大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ。京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。渡しもりに問ひければ、これなむ都鳥。」
これの文によれば、「都鳥」とは隅田川にいた鳥のことで、身体が白く、嘴と脚が赤く、シギ程度の大きさの魚を食べる水鳥。と読むことができる。尚、当時の京都にはユリカモメはいなかった。この条件に合う鳥と言えばユリカモメという説がもっとも高いらしい。
これにより「都鳥」=ユリカモメになり、東京都の代表的な鳥になるのだ。