フタコブラクダ

フタコブラクダ=偶蹄目 ラクダ類 ラクダ科
英名:Bactrian Camel
学名:Camelus bactrianus
生息地:中央アジア、東アジア ゴビ砂漠(中国~モンゴル)、岩だらけの荒地。
食べ物:草食(とげのある草や乾いた草も食べる)
寿命:約20~30年
体長:約2.5m~3m
特徴:二つのコブ、長いぼさぼさの冬毛、指が平。
生息状況:絶滅危惧IB類
漢字:フタコブ駱駝
別名:砂漠の船

どんな砂漠にも耐える究極の身体


生態
フタコブラクダは地形が岩だらけの中国からモンゴルへ続くゴビ砂漠のみに生息している。野性で生息するラクダの中では唯一のラクダであり、生体数は約1000頭ほどしかいない。

ゴビ砂漠では冬から夏にかけて寒暖差が-29℃~38℃もあり、フタコブラクダはその厳しい環境にも耐えることのできる身体をもっている。
ラクダのコブには食料や水分などを変換し、脂肪として蓄積しておく事ができる機能がある。このコブのおかげで食料や水などが無いときにも体重の40%を失いながら長く生存できるようだ。そして、夏の暑い日になると体温を上昇させ汗をかかないようにし、水分を保持することもできる。逆に冬の寒い期間では太くて長い体毛を伸ばし寒さをしのぎ、植物に含まれる水分だけで数週間も水を飲まずに生存することができる。尚、他の動物が食べないような棘のある植物や乾燥した草なども食べて身体に蓄えることができる。ちなみに、コブの脂肪を使い果たすとコブはたるんでしまうが、水を飲ますとスポンジのようにコブが膨らんでいくみたいだ。
砂漠で生きるには砂から身を守ることも重要になってくる。ラクダの場合、砂が入らないように鼻孔をふさぎ、二重のまつ毛が目を保護している。

発情期になると、オスは頬を膨らませたり、口から赤い風船のようなものを押し出したり、儀式化したディスプレイをしながら競争相手と並んでゆっくりと歩いたりもするらしい。そして、ちょっと怖いが歯軋りをして誘ったりもするようだ。人間だったらギリギリだね。

優位なオスは6~30頭のメスとその子供がいるハーレムを獲得できるようだ。この群れは縄張りを持たずに食べ物や水を探しながら長距離を移動していくようだ。
ちなみに、妊娠期間は406日もある。


人間と‥
アラビア半島ではラクダは紀元前3000年頃から家畜化されていたとされている。以降アラブ人はラクダのことを「砂漠の船」と呼び、乗りもの、荷運び、などで盛んに利用されていた動物になる。
そして、人が近づけば首を低くし、膝をついてどんな荷物であろうと背に乗せる。ラクダは従順な動物とされ、キリスト教ではラクダを人類の罪を背負った「キリスト」になぞり、水を飲む姿は「倹約」の、砂漠に立つ姿が「忍耐」の象徴とされていたという。
だが、古代エジプトではラクダは足取りの遅い人間の象徴とされており、一説によると、古代のラクダはあまり従順ではなかったとされている。もしかしたら、頭の良いラクダが人間に飼われた方が生きやすいと理解し、従順になっていったのかもしれない。
 日本にラクダが来たのは推古天皇7年(599年)秋頃、百済の使節がラクダ1頭をもたらしたと言われている。

属名カメルス(Camelus)はラクダを示すラテン語。ラクダのアラビア名ジャメル(jamel)に由来する。英名のキャメルもこれに準ずるが、一説ではキャメルの名は、ギリシャ語で「地上の」という意味を示すカマイ(chamai)から来ているという説もある。
和名のラクダは「たく駝」が濁って「駱駝」と呼ばれるようになったとされ、中国名の駝は「荷を背負う獣」の意があり、同じく「たく駝」の「たく」には袋をよく背負うことにちなむ。また、背中のコブを袋に見たてたという説もある。
現在、フタコブラクダは野生種が1000頭ほどしかいないのだが、家畜家されたフタコブラクダはおよそ200万頭がいるといわれている。野生種の主な減消原因は家畜ラクダに餌を食べられ餌が無いのと、家畜ラクダとの間に子供が出来、結果的に家畜家してしまうことなどがある。

国内最高齢は横浜市の野毛山動物園にいるフタコブラクダ「つがる」上の写真。2011年で36歳。世界最長寿記録に並んでいるという。













1 件のコメント:

  1. こんにちは。突然すみません。
    今、大学のサークル活動でラクダの発情期について調べていて、このブログにたどりつきました。もし、この記事の元となった文献などがありましたら教えて頂けないでしょうか。

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