ブタ=偶蹄目(ウシ目) イノシシ科 イノシシ属
英名:Pig. Hog. Swine.
学名:Sus scurofa domestcus
生息地:ほぼ世界中の温暖な地域(家畜)
食べ物:雑食、(リンゴ、トリュフ、サツマイモ、どんぐり、とか…何でも)
寿命:10~15年
体長:約1メートル。体重100~200㎏
特徴:肢が短く体ががっしりとしている。顔と目が小さく耳が垂れ下がっており、口と鼻が突起し鼻先が平らで鼻穴が大きい。
生息状況:ふつう種?(家畜)
犬よりも知能が高かった!!
ブタはイノシシを家畜化した動物です。約6000年も前から家畜として品種改良されてきました。この家畜化したブタのことを養豚といい、現在その種は多くみても500種類もいるとされているそうです。昔は野生のブタが生息している場所もあったようですが、今ではほとんどいないようです。ですが、家畜化したものが逃げて野生化したブタもいます。その中でイノシシと交配をして亜種が増えていることもあるみたいです。現在、ハワイ諸島では昔に持ち込まれたブタが野生化していて、被害があるという報告もあるようです。
品種改良のほとんどは食用のためですが、ペットとして品種改良されたミニブタはとても人気が高い動物になります。ちなみに、500種の中で世界的に普及されているのが約30種ほどだそうです。
日本で飼われているブタのほとんどは、ランドレース、パンプシャー、大ヨークシャー、デュロック、バークシャーのいずれかを組み合わせた雑種になるようです。
生態
ブタの原種はイノシシになるのですが、野生のイノシシと同様で土中の虫や植物の根、球根を掘り返して食べています。その習性のためか硬い鼻先をもち、顎の力と背筋と首が発達しています。
オスには牙が上向きに生えており、その牙を敵に押し込み強大な背筋で持ち上げて回転をしながら放り投げるという攻撃をします。特に、人間のように背丈が高い動物を敵とみなす習性があり、内股に突進して牙をえぐりながら持ち上げて攻撃をするようです。この突進攻撃を「しゃくり」と言い、まともにあたると大人でも数メートル吹っ飛ぶほどのパワーを持っているらしいです。しかもブタのスピードは速くて時速30㎞にもなる言います。ちなみに、この攻撃により太腿の血管を切り大出血することがあるようです。昔日本で小規模養豚が多かった時代ではこの攻撃による死者も多かったといいます。このように、ブタはとても強い筋力を持っているため、飼育にも木製の柵などはすぐに壊されたり、深い穴を掘られたりもするため、設備をしっかりと整えることが必要だといいます。ですが、免疫力は強く、環境への適応性も持ち合わせているので設備さえ整えれば飼育は容易のようです。
ブタの体は種によって異なりますが、犬よりも大きい種が多く、体重は100〜200kgもあり体脂肪率は14~18%ほどしかないようです。ブタの発情期は季節に関係なく21日サイクルで約3日間続きます。メスが発情するとオスは興奮して口に泡を出す行動をとるようです。妊娠期間は約114日と短く、一回につき10数頭の子どもを産みます。この時、飼育では母豚による子豚の圧死を防ぐために母豚の行動範囲を制限する分娩豚房に移動されるようです。100kg以上も増えるのに生まれたときは約1.5kgほどしかなく、未発達の状態で生まれてきます。生まれた子供たちはすでに八本の鋭い歯が生えており、母豚の乳房を取り合う行動をします。ですが、この行動で母豚を傷つけることもあり、思わぬ事故が多いため飼育では子どもたちに「歯切り」を行います。他にも、尾を切る「断尾」、オスのみの「去勢」なども子どもの内にするようです。子どもたちは取り合った乳房を自分の乳房と認識し、必ず初めに取った乳房で授乳をする習性があります。乳房が多い時は子どもたちの中で優位な子どもが余っている場所を独占するようです。そして、生後八か月も経つとオスメス共に交尾を始めることができ、メスは1歳ちょうどで早くも第一回目の出産ができるようです。
ブタは生命力が強いので荒れた地でも飼育できるのですが、本当は清潔な場所を好む動物で、排泄場所も餌場や寝床などとは別に決まった場所にする習性を持っています。動物の中でも、排泄などを我慢できる生き物はあまりいなく、非常に高度な知能の動物と言えます。
ある研究者はブタの知能はイヌと同等かそれ以上あるかもと言っているようです。
イヌのように高い忠実性は持っていないですが、知能ではブタの方が上であることが認識されているらしいです。ある実験では、イヌ、イルカ、ゾウ、カササギ、ヨウムなどが鏡の存在を認知できる動物とされていますが、ブタも鏡の認知ができる数少ない動物に入っているようです。このように知能が高い意外性をもったブタですが、もっとも優れた能力は嗅覚です。
一般的に有名な話はブタの嗅覚で高級食材トリュフを見つけることができることですが、トリュフにはオスブタが持っているフェロモンと同じ成分があり、この成分を嗅ぎ分けてメスブタが探し出すそうです。ブタの嗅覚はそれ以外でも自分の子供の匂い、または母親の匂いなどを嗅ぎ分けることもできます。もし母親に違う子供を近づけた場合、攻撃されることがあるようです。このとても優れた嗅覚を持っているブタの鼻には無数の神経が集まっています。そのためか、ブタの鼻を強い力でつかまれると動けなくなるようです。また、その鼻はとても器用な器官になり、ネジを外したり、取ってをまわして扉を開けてしまうなど、ブタにとっては手のような器官になります。
歴史
何千年も前から食用の家畜として飼われてきたブタは、唯一謎になっていたことが一つだけあった。それは「ブタは何年生きるのか」という疑問だった。昔から、食用として食べられてきたブタは実際に寿命が尽きるまで飼われたことがなかったからだという。その当時の代表的博物学者「G・ホワイト」はその質問にこう答えたと言う、「あらゆる豚は天寿を全うする前に人間によって処分される。そして、ああいう手に負えない動物を天寿を全うするまで飼ってみたところで、何の利益にも便宜にもならない」と。このほかに、ブタだけではなく、他の動物にも言えることだが「家畜はいつ家畜としてなったのか?」という疑問もあったという。キリスト教の創世記には「創造の6日目に家畜として世に生み出された」とある。
現在の調査ではナショナルジオグラフィックでの記事によると、これまで考えられていたよりも約500年早い、紀元前4600年頃に家畜のブタがいたことが発見され、化石とDNAの調査により明らかにされたという記事が載っている。詳細はナショナルジオグラフィックへ
これまで考えてきたことは実際はまだまだ解明がされていないということがわかる。実は本当に家畜として生まれたのかもしれい…。
西洋ではブタは不潔な動物とされ、怠け者を揶揄するときに使われたりもした。そして、多産な部分が強調され、貪欲や性欲のあからさまな象徴ともなっている。ですが、本来はオシリスやアッティスなどの豊饒神(ほうじょうしん)の聖獣でもあるようです。
日本では古く食用としてイノシシを飼養されていたことがあるが、これが家畜として確立したブタだったという証拠はないという。しかし、仏教の伝来とともに一般的に肉食が禁じられ、ブタ(イノシシ)を飼養されることがなくなったという。それ以来、日本人はブタとは無縁の生活をしてき。16世紀後半になると、日本に渡来した中国人やポルトガル人の影響で肉食が増えていき、ブタの飼育が復活し広まっていったようです。
現在では、食用以外でもペットとして改良されたミニブタが人気になったり、ブタはサル(類人猿類)以上に皮膚や内臓の大きさが人間に近い動物とされており、異種間移植の臓器提供動物として研究がされているそうです。
ブタは昔から人間の中ではけなされる言葉に使われてきましたが、賢い動物であり近い将来人間を救うかもしれない可能性があるとても大切な動物になるかもしれません。「使えないのは鳴き声だけ」と言われているほど利用箇所が多いと言われていますが、これは間違いありませんね。
属名スス(Sus)はイノシシを示すラテン語になり、英名ホッグ(hog)は食用ブタを示した「去勢されたもの」が原義のようです。また、英名スワイン(swine)はメスブタを意味する英語の「sow」に女性形名詞語尾の「ine」がついてできたという説があるといいます。
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