ウマ

写真:横浜市立金沢動物園(種類:ポニー)
ウマ=奇蹄目 ウマ類 ウマ科 ウマ属
英名:Horse
学名:Equus cabaiius
生息地:世界各地(野生種はほぼ絶滅) 5000万年前の化石から北米が原産地とされている。
食べ物:草食、硬く甘いものも好む(ニンジン、リンゴ、角砂糖なども食べる)
寿命:約25年(稀に40年も生きる馬もいる)
体長:約60㎝~187㎝(種類による)
特徴:太く長い首に大きな頭と長い顎。長い四肢、足指は第三指のみ、頭から首の上部に長い鬣(タテガミ)があり長い尾を持つ。
生息状況:ふつう種
別名:耳の獣、神の乗り物



愛情で強い絆をみせる最高のパートナー




生態
ウマは社会性をもち、野生も家畜もだいたいが家族かそれより大きなグループで生活しているが、野生では1頭の成熟したオス(種馬)がメスと子どもからなる群れを率いて生活をするという。
主に草食性であるが、ヤギやウシなどの反芻動物とは違い、胃は一つしか持っていない。だが、大腸のうち、盲腸が長く(約1.2m)、結腸も発達しており、これで微生物が繊維質を発酵分解しているという。なお、胆嚢が無いことも草食に適していることから、馬は後腸発酵動物になるという。
馬が食べる時は発達した門歯と臼歯により草などを噛み切り、すり潰して食べている。ニンジンはもちろん硬く甘い果物なども好んで食べるという。
馬の長い4本の脚には指が一つだけしかなく、全て第3指になり、それ以外は退化して無くなっている。そして、硬い土や草原などを走るための発達した蹄を持ち、長距離を長い時間をかけて走ることができる。ちなみに、サラブレットなどの時速は約60~75キロくらいだという。これは瞬間最高時速なので、このスピードを維持して走ることはない。
ウマは昔から天敵(肉食動物)に襲われることが多く、とても感覚が優れており、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚を最大限に使って過ごしている。そのためか昔から臆病な動物で、常に警戒心が強く、敵から逃げることで生き延びてきた。ただ、嗅覚はとても良いのだが、犬のように毒草や血などを嗅ぎ分けることはできないらしい。そして、優れた視覚を持つ馬の目は視野がとても広いが、両目が合わさる幅は狭いため、距離感をつかむのが苦手のようだ。
繁殖期は春頃になり、繁殖可能な年齢は3-15歳、長くて18歳までだという。繁殖期になると、オスは歯をむき出しにして、笑っているような表情になる。これは鼻腔の内側にあるヤコプソン器官と呼ばれるフェロモンを感じる嗅覚器官を空気にさらすことで、発情したメスのフェロモンを嗅ぎとれるようにする行為になる。これを、「フレーメン」と呼ばれている
妊娠期間は335日と約1年間になる。主に単子で生まれることが多い。
生まれた子がオスなら、2歳くらいになると群れから追い出される。そして、自分でメスの群れを作れるようになるまで、他の若いオスと一緒に行動する。


ウマの種類

ウマ類は、ウマ、ロバ、シマウマ、オナガー、キャンなどが含まれ、全体で10種ほどになる。そのウマの中では家畜として属名は一つしかないがおよそ400品種もあり、競走馬~馬車馬などの種類に分けられる。
馬を最初に家畜にしたとされるのが、およそ5000年も前になり、アジアの遊牧民が初めてとされている。その後、家畜化は世界中に広まり、人間が使う用途に分かれて様々な種と交配させ、より強く、より早く、より大きく、と品種改良がされてきた。
主な品種の目安として5種に分けて説明がされている。

軽種
主に乗用などで馬車を引くために改良されたりスピードと耐久力なども改良された種になり、競馬などで活躍するアラブやサラブレットなどの種になり、体高約142~173㎝になる。

中間種
軽種と重種の中間的な性質をもち、軽快さと温厚な性質を持っている。体高は軽種と同等。

重種
主に農耕や重い荷物などを運ぶために改良された品種。中世のヨーロッパでは甲冑を着込んだ騎士の乗馬としていたようだ。ばんえい競馬などで用意られる種がいる。ちなみにもっとも大きな馬の種を輓馬(ばんば)といい、体高約165㎝~187㎝も成長する。

ポニー種
大人の馬になっても体高が148cm以下の馬の総称になる。
ちなみに、一番小さい馬種はミニチュア・ホースといい、体高約60~80㎝程しかなく世界最小記録では体高51㎝、体重13.5㎏のメスで、大人の男性なら一人で持ち上げることができる。

日本在来種
およそ5世紀頃に朝鮮半島から九州北部に入ったとされ、日本全国に広まっていった。交配などで品種改良されないまま生き残った日本在来馬のことになる。体高はあまり大きくなく、100㎝~135㎝程度しか成長しない。
この在来馬たちは現在1700頭ほどしかおらず、日本で飼育されている馬は約8万頭とされ、その約半数がサラブレットなどの競走馬になるという。すなわち、在来馬は約2%しかいない非常に貴重で絶滅に近い馬になるようだ。

備考: 体高とは地面から馬の肩までも高さを表している。

歴史

馬はロバ同様にかなり知能が高い動物になる。脳の発達速度を示す脳化指数は犬や猫に劣らない。しかも、長期記憶は非常に高いことが知られており、日頃から愛情を込めて世話をしていれば、絶大の信頼をよせ従順な態度を表してくれる。大切に世話をしてくれた人の顔は生涯忘れることがないと言われているほどだという。ちなみに、こんなエピソードが残っている。戦争時に軍馬として農家で世話をしていた馬が徴用された時、同じようにその飼い主も戦争へ送られた。だが数年後、戦場でたまたまその馬と飼い主が出会ったとき、馬から飼い主の方へと懐いてきたという感動の実話などもあるようだ。ここ最近のスティーブン・スピルバーグ監督が製作した「戦火の馬」も同じようなエピソードで描いている。
このように、馬は頭も良く体力あるので、大昔から、人間と共存し、愛されてきた動物になる。エンジンが開発されるまでは馬なしでは生活できないほど人間の歴史の中で深くかかわっているようだ。
馬の祖先とされているのがタルパンと呼ばれる野生馬になる。この馬は森林で暮らすタイプと高原で暮らすタイプに分かれていた。だが、1877年に絶滅したとされ、現在では、タルパンを復活させようと1930年代からポーランドやドイツでタルパンの復元がすすめられ、コニック種というタルパンに似た種と、改良が進んでいない種を交配させることで復元タルパンという馬が生まれているらしい。復元タルパンはドイツのヘラブルン動物園にいるようだ。
ちなみに、もっと前の祖先、ウマ、ロバ、シマウマなどの祖先は北米で約5000万年前(始新世)の地層から発見されたヒラコテリウム(別名エオヒップス)という名のキツネほどの大きさで前肢の指は第1指がなく、後肢では第1指と第5指が退化している動物だったとされている。この動物は葉食性で森林に暮らしていたとされている。

世界中にいる馬のほとんどが家畜とされているが、唯一、一度も家畜化されなかったとされる馬がいたという。それは、モウコノウマ(プシバルスキーウマ)といい、この馬は1879年にキルギスタンでスペインやフランスにある洞窟壁画の遺跡に描かれていた馬と同じ馬だという。
モウコノウマはゴビ砂漠で発見され20頭ほど捕獲された。そして、ヨーロッパ各地の動物園で飼育されているが、昔はヨーロッパにも存在していたらしく、その頃の野生種は人間に食べつくされてしまったという。ゴビ砂漠で見つかったモウコノウマの野生種は1968年に確認されたのが最後だったといわれ、皮肉にも最後の純粋な野生種は人間に飼育されているということになった。だが、現在では動物園で繁殖したモウコノウマを野生復帰させようとすることが進められ、2008年には229頭のモウコノウマの内、約200頭がモンゴル生まれの野生種になっているという。

歴史的に見ても馬は人々にとって最高の動物でありパートナーだった。強い体力や脚力、また旺盛な精力を持っていることから、西洋では古くから多産や豊饒(ほうじょう)のシンボルとして崇拝されてきた。特に、白馬などは世界各地で霊獣とみなされ、占いや神託に用意られたという。聖書でも死者の霊を天の王国へいざなう白馬が登場するらしい。
また日本では4世紀末の応神天皇の時、馬が百済から初めてもたらされ、「耳の獣」と呼ばれたこともあるという。当初は珍獣とされ、天皇気に入りの大臣公卿のほかは騎乗すら許されることはなかったという。この頃、貴人のことを「うまひと」と呼ばれ、現在の由来にもつながっている。そのような事情もあってか、馬は神々の乗り物とされ、神霊は馬に乗って降臨するという考えが生まれたらしい。現在でいう絵馬や競馬の習俗も、もとは神獣である馬を用いた祭儀だったという。そのため、昔の日本では馬を食べる風習はなかったらしい。だが、戦国期にポルトガル人などが渡来し、一時は馬を食用にしたらしいが、1587年(天正15年)、豊臣秀吉が食用を禁じたという。

ウマの属名エクウス(equidae)はウマを示すラテン語になる。











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