写真:横浜市立金沢動物園
ガウル(ガウア)=偶蹄目 ウシ科 ウシ属
英名:GAUR
学名:Bos gaurus
生息地:アジア南部から東南部
食べ物:草、木の葉など。
寿命:飼育24年の記録がある。
体長:2.5m~3.5m 体重:650㎏~1000㎏ 大きなオスだと1500㎏もあるという。
特徴:大きな頭に丸く曲がった角は先端が黒く付け根が黄色い、がっしりとした白い脚
生息状況:絶滅危惧Ⅱ類
別名:セラダン、インドヤギュウ
最大級の牛
ガウルはインド、ネパール、バングラディッシュ、ミャンマー、マレー半島に生息している。インドでは「インドヤギュウ、インドガウル」と言い、マレーシアでは「セラダン」と言われている。この動物はウシかの中でも大型のウシになり、少なくとも高さでは一番大きなウシになる。その肩高は約182㎝もあり、もっとも大きいと言われた記録によると190㎝を超えているという。かなりの大型動物になる。
ガウルの主な特徴としてはオスメスともにある三日月の用に湾曲になった角がある。その角の先端は少し黒く模様が入っている。ガッシリとした足は膝から下が白くなっている。それと、ガウルの肩から背中の中心にかけて盛り上がった筋肉?があることも特徴の一つと言える。
ガウルは標高1500mくらいの熱帯雨林などに生息し、通常10〜20頭ほどの群れで生活しているが時には群れが集合して大きな群れを作ることがある。成獣したオスは繁殖期以外は単独かオス同士の群れで生活をすることが多いという。ちなみに、ガウルたちはバンテン(ジャワヤギュウ)やゾウたちの群れに混ざって混生していることもあるようだ。
ガウルは水辺の近くで生活することを好んでいるらしく、早朝と夕方の涼しい時間に餌を探して行動する。餌は草や木の葉を主食としているが、ときにはタケノコなども食べている。日中は森林で菜食した植物を反芻しながら休むようだ。
ガウルには外敵が多いせいか警戒心が強い動物だという。だが、大きな体の成獣したガウルに外敵が襲うことは滅多になく、子供たちが標的にされている。外敵が現れたときは成獣したガウルたちが子供を守るように取り囲み外敵を追い払うという。成獣したガウルはヒョウやドール(アカオオカミ)などは太刀打ちできないほどの強さを持っている。しかし、ガウルの最大の天敵であるトラはそう簡単にはいかないらしく、サイなみに大きいガウルも深手を負うことが多くあり、時には殺されたりもする。もちろん、トラも成獣のガウルを襲うことはかなりの覚悟が必要になり同じように傷つき、時には殺されるという。
繁殖期になると、発情したオスたちは遠くまで聞こえる低いうなり声を連続して「歌う」という。妊娠期間は270〜280日になり、ミャンマーでは周年、インドの個体群では8月〜9月にかけて1回に1頭を産む。授乳期間は約9ヶ月になり、生後2〜3年で性成熟するという。
普段、ガウルはめったに人間を襲うことはないと言われている。だが、手負いのガウルは時に人間も襲うことがあるのでとても危険になる。原因は主にトラによって深手を負ったことで警戒心が強くなり人間も襲うという。だがその他にも人間によるハンターによって手負いのガウルが人間を襲うケースもあるという。このようにガウルは手負いほど危険な動物だと昔から伝えられている。
しかし、現在ガウルは絶滅危惧種に指定されている。主な原因としては天敵に襲われることと、肉や角を目当てにしたハンターたちの乱獲、そして、家畜のウシの放牧が増えたことによる餌となる草や木の葉の減少や家畜からの病気がガウルにうつることも考えられている。
ガウルが減少していることにより、その天敵であるトラも餌となる動物がいなくなり減少して絶滅危惧種に指定されている。
一つの種が絶滅するといくつもの種が消えていく。自然淘汰では当たり前のことだが、これはいつか人間の社会にも影響が及ぶほどの大きな問題に繋がることも十分にあることを意識しなくてはいけない。と思うのです…。
ガヤル(gayal)という家畜のウシがいるが、これは、ガウルを家畜化したものだと言われている。だが両種の角や頭骨にはいくつかの違った点が見られ、ガヤルはガウルよりもかなり小型なことからこの説は間違っている可能性があるらしい。
現在、日本の横浜市立金沢動物園でしかガウルを見ることができない。近くで見るとかなりの迫力があるらしい。
参考文献
http://biggame.iza-yoi.net/Bos/Gaur.html
http://www.pz-garden.stardust31.com/guutei-moku/usi-ka/indo-gauru.html
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