英名:Prairie dog
学名:Cynomys ludovicianus
食べ物:草類
出身:北アメリカの大草原
寿命:野生で3~4年 飼育で5~10年
体長:体長28~30cm 尾7~11.5cm
特徴:手足が短く身体が丸い 名前のオグロだけに尾が黒い
生息状況:準絶滅危惧種
掘って掘って掘りまくる毎日。
生態
プレーリードックは社会性に優れ、集団のグループで生活をする。
土の中に長く複雑な巣穴を作り、その中に寝床、子供部屋、トイレ等を作って生活している。また、巣穴の出口には敵を確認するための周囲を見張らせる台が作ってあり、その巣穴周辺に自分より高い雑草があると視界確保のために刈ってくれるため、プレーリードックの棲む草原では草原が荒れることがないという。逆にプレーリードックのいなくなった草原は荒れ、最悪、砂漠化が進む土地もあり、自然の中では環境を守る役割をもっている。
巣の中に他の固体が来るとお尻から臭いを出し威嚇する、時には敵対する雄を生き埋めにすることもあるという。一日中ほとんどを巣穴を掘る作業で時間を尽くしてしまい、巣穴の長さは何十メートルにもなり年間を通して平均気温は約15℃といわれている。その巣穴を利用し天敵であるヘビやフクロウが捕食されたプレーリードックの巣穴を棲みかとして使うこともある。
プレーリードックの集団では「コテリー」と呼ばれる家族を形成し、雄が一匹、雌が数匹の一夫多妻制になる。家族同士で餌を分け与え、時にはキスやハグをして挨拶をする。このように、生息地がアメリカならではの愛情表現をする動物だ。
プレーリードックは5種類存在してユタ、メキシコ、オジロ、ガニソンそしてオグロになる。とくにオグロプレーリードックは集団のグループを作り数百匹からなるコミュニティーを形成している。それを「タウン」と呼んでいる。危険が迫ると警告の鳴き声をだし、タウンの住民に知らせ、全員が一斉に巣穴の中へ逃げ込んで行く。
人間との関係
日本でも一時期はペットとして人気があったが、ペスト、野兎病などの感染症を媒介する恐れがあり、2003年3月から輸入は禁じられている。ただ、今現在いるプレーリードックは輸入禁止以前に輸入されたもので国内で繁殖したプレーリードック達だ。だから、寿命から考えると日本にいるすべてのプレーリードックは日本生まれのプレーリードックになっている。
プレーリードックは日本では可愛い動物として愛されてはいるが、本土アメリカなどでは、牧草地や運動場を巣穴で荒らされることなどから害獣扱いされていた。そのため、アメリカなどでは駆除対象として扱われ、19世紀に40億といわれた個体数が駆除を受けて98%減少した。それにより、現在はメキシコプレーリーとユタプレーリーが絶滅危惧種になっている。そのため、プレーリードックの捕食者であるクロアシイタチも数が減ったことにより捕食できず絶滅危惧種に登録されている。
尚、上で述べたようにプレーリードックは自然環境を支える大切な動物でもある。いなくなれば砂漠になる土地も増えていくだろう。もしかしたら、日本にいる駆除対象のカラスやドブネズミも何らかの形で自然を支えている生き物なのかもしれない。自然を守り、土地を豊かに保つなら動物と共生しなければならない。人間にはわからないほどの小さな生き物が自然のバランスを支えている。小さい物でも全てを奪うとその倍の力で違う形になって返ってくる。駆除にも限度があるのだと思う。
ちなみに、草原で「キャンキャン」と犬のように鳴くことからプレーリードックと名づけられたという。
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