ハートマンヤマシマウマ


ハートマンヤマシマウマ=奇蹄目 ウマ類 ウマ科 
英名:Hartman's Mountain Zebra
学名:Equws Zebra hartmannae
生息地:アンゴラ、南西アフリカ 山岳地帯
食べ物:主に草を食べるがニンジン、イモ、ワラも食べる
寿命:約20年(野生) 夢見ヶ崎では26歳2ヶ月(日本記録)
体長:約2m~2.50m
特徴:喉の肉垂(にくすい)、蹄が狭い
生息状況:絶滅危惧IB類


白黒つけるシマウマ社会
ヤマシマウマはケープヤマシマウマ、ハートマンヤマシマウマの2亜種が存在する。そして、シマウマの種類はヤマシマウマを合わせると10種類にもなる。大体が同じように見えるがそのシマウマの中でヤマシマウマは喉の肉垂が特徴になっているのだ。そしてハートマンとケープの違いは腰あたりの黒縞模様の太さが違い、ハートマンの方が縞模様が細かくケープの方が広くなっている。それと、シマウマの中でヤマシマウマだけがアフリカ南部の山岳地帯にしか生息していない。

シマウマの生態は2パターンに分かれている。
1、一つは主にヤマシマウマやサバンナシマウマに見られるもので、1頭の雄と2~3頭の雌がハーレムの形で生涯にわたり変わらない恒久的な群れを形成する。それぞれのハーレムは独自の行動園をもつが、隣接するハーレムの群れと部分的に重なり合っていて、その行動園の広さは環境の質によって異なるが、およそ80~350平方kmにもなる。これは雨季や乾季の時期では大きく変わってしまうが、乾季になると環境が悪くなるため、そのシマウマはそれぞれのハーレムが集合し一段となって100km以上離れた別の場所へと移動をする。

2、もう一つはノロバとグレービーシマウマに代表されるもので、ごく短時間だけ大人のウマが集合をつくる。これは、雄と雌、あるいはどちらか一方だけが一時的に寄り集まるもので、まれに2~3ヶ月以上つづくこともある。ただし、ほとんどの大人の雄は広い縄張りを持ち1頭ずつで暮らし、その広さはグレービーシマウマで2~10平方km、ノロバでは15平方kmにもなる。
縄張りの境界は大量の糞の山でしるしてあり、雄はその中をうろつく雌に対する交尾の権利を独占するのだ。

上の2つの社会構造においても、その社会からあふれた雄達は雄同士で独身雄だけの群れを作っている。
これは、シマウマだけではなく、ウマの仲間では、血縁のない固体で群れが形成されるため子供の雄や雌も生まれた場所からいずれは出て行くことになる。
雌は性成熟に達する2歳ぐらいになると群れをでていき、近くのハーレム雄や独身郡の雄達がその雌を手に入れようとやってくる。
雄は3歳までに群れをでて独身雄の群れに加わるが、こどもの雄が雌を手に入れたり、ハーレムの雄を追い払ったりできるようになるのは独身雄の群れで何年もすごしたあとになるのだ。

人間との歴史
シマウマは10種類存在していたが、今は9種類になっている。
2種はケープとハートマンのヤマシマウマで、もう7種はグレービー、サバンナ、バーチャル、グラント、セルー、チャップマン、クロウシェイズになる。そして、1880年頃に絶滅してしまったクアッガというシマウマも存在していた。それは主に乱獲によってが原因になっている。そして、今現在でもシマウマは絶滅の危機に瀕している。その原因もやはり乱獲だった。シマウマの場合は美しい毛皮目当ての乱獲になるが、アフリカでは旱魃や戦争も原因の一つになっている。戦争被害は人間だけが被害を受けているわけではないのだ。

縞模様の謎
性格は気象が荒く人間にはあまり懐かないので乗馬は無理である。
白と黒の縞模様の不思議は色々な説がある。
①縞模様が体温調節に役立っている。シマウマは色々な気候に住んではいるが、気候によって縞模様が変わることはない。
②有害なハエや虫を寄せ付けないため。確かに、ハエは視覚的な影響を受けるらしいが、現地のシマウマ社会ではハエは障害となっていない。
③ライオンが飛び掛る時に縞模様によって目がくらみ、目測を誤るため。しかし、実際にライオンは飛び掛る時、確信をもってシマウマを仕留めているのでこの説もあやしい。
④シマウマが群れになるとき、縞模様によってライオンが一頭のシマウマを選ぶ事ができない説。
⑤アフリカの大地で自分達をカムフラージュするために発達した説。実際には体色の目立つ草原を好んでたむろしている事からこの説はあたっていないらしい。
⑥仲間同士が集るとき、その縞模様が安らぎの気分を高め互いの毛づくろいなど個体間の交流を行いやすくするという説
一番有力とされているのが⑥番だが、まだまだ謎が多い動物だ。
ちなみに、シマウマの縞模様は白地に黒模様が一般的だが、黒地に白模様もまれに現れる。

名の由来
属名エクウス「Equws」は馬を意味するラテン語から、英名ゼブラ「zebra」は定説はないがコンゴ語で縞模様を意味するジブラ「zibra」からきているという説がある。日本のシマウマは「縞のある馬」からだという。

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