コモンマーモセット


コモンマーモセット=霊長類 サル類 マーモセット科
別名:キヌザル 
英名:Common Marmoset
学名:Callithrix jacchus
食べ物:昆虫 トカゲ 果実 花 樹液
出身地:南アメリカ(ブラジル東部 ピアウイ州~リオデジャネイロ州)
寿命:約10年~15年
体長:15~22cm 尾長:27~31cm
特徴:フサフサとした白い耳毛 尾は輪状の縞模様。
生息状況:準絶滅危惧*


優しいオスの助産婦。



生態
コモンマーモセットはブラジル東部の熱帯雨林に生息し、人間と同じ昼行性で樹上で生活をしている。5~40頭の群れをつくり、その中で一度結ばれた夫婦は生涯共に生活をしていく。鳴き声は小鳥のように高く「チッチッチ」と鳴き仲間とコミュニケーションをとっている。

同じ動物園にいるワタボウシパンシェもそうだが、マーモセット科は主にオスが子育てをすると言われている。赤ちゃんを運び、餌を与え、毛づくろいもしたりとメスも頭の上がらないようなことまでするのだが、なんと、出産時は助産婦の役をしたりもするというのだ。マーモセットのメスは子供をだいたい2頭産み、多くて3頭も生まれることがある。そして、出産時の胎児は母親の体重の25%にまで成長し出産コストが高くなる。その為、手助けとしてオスが助産婦の役までするのだと言う。
多くの動物はメスが子育てをするのだが、出産コストが高い動物はオスが子育て手伝ったり、種によっては母乳だけメスからもらい、オスが完全に子育てする動物もいる。(ナショナルジオグラフィック参照)

そして、2009年の研究発表では、マーモセットは南アメリカ内で地域ごとに方言があることがわかったと言う。この研究は、世界最小と知られていたピグミーマーモセットを対象に調べられた。複数のグループを対象に鳴き声を録音、解析した結果、コミュニケーション手段として様々な独特な声を発していることがわかったと言う。「鳴き声の多様性は生息環境に関係するものかもしれない。森の密度の差に応じて、鳴き声の高さや長さを変えるのは有効な手段。しかし、社会的相互作用の中でこのような多様性が生まれた可能性も十分にある。」と研究者:生態学者ステラ・デ・ラ・トーレ氏は語る
ある鳥類学者はマーモセットは将来の配偶者の鳴き声を聞いて、どこの出身か判断し、近親交配を避けようとしている可能性があるとも言う。
動物にも方言があることには驚きだが、これはマーモセットだけではなく、ニホンザルやチンパンジーといった他の霊長類でも鳴き声の多様性が存在している。また鳥類ではさまざまな種で方言が記録されていると言う。(ナショナルジオグラフィック参照)

人間と‥
マーモセットは小型で飼育しやすい動物なために乱獲され一時は絶滅まで危惧された。現在はワシントン条約により保護されて輸出は禁止されている。国内で出回っているマーモセットは全て国内で繁殖されたものになるのだが、その値段は20~50万円にもなると言う。
いくら保護されているからと言ってもここまで高い値段がついていると密輸もあるのではないだろうか?今現在の絶滅危惧に指定されている動物達は人間が馬鹿みたいに高い値段をつけるからこそ乱獲をされていることがある。簡単に命を買えると思っている人達はもっとその動物の原点を考えて欲しい。

備考
ピグミーマーモセットは1998年に発見されたピグミーネズミキツネザルが発見されるまで世界最小の霊長類であった。ちなみにサイズはピグミーマーモセットが10~15cm、ネズミキツネザルが約6cmだと言う。
マーモセットの属名カトゥリス(Callithrix)はギリシャ語で「きれいなkalos 髪trikhos」の意がある。
逆に英名、和名のマーモセットは仏語のマルムズ(marmouset)「気味の悪い姿」に由来するというのだが、この語は一説に「小さな大理石模様」を示すラテン語マルモレトゥム(marmoretum)にちなみ若いサルを意味すると言う。

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