チョウゲンボウ

チョウゲンボウ=タカ目 ハヤブサ科 
英名:Common kestrel
学名:Falco tinnuncuius
食べ物:小型哺乳類(ネズミ、モグラなど)や小鳥、昆虫
出身:ヨーロッパ、アフリカ、カナリア諸島、アジアにも分布
寿命:約10年~15年
体長:オス約30cm、メス約33cm
特徴:黒く丸い目、茶褐色に黒い斑点(メスは斑点が細かく、オスは大きい)
生息状況:ふつう種 ワシントン条約付属書Ⅱ、ボン条約付属書Ⅱ掲載種
漢字:長元坊

急降下では時速200kmを簡単に超える!



生態
開けた土地を好み原野、耕地などにつづく林縁部や丘陸地などに多く、海岸に近い草原などにも生息。また高山や山岳地帯の麓などでも見ることがある。主に単独か番で生活し、小型の鳥類やげっ歯類、また昆虫などを捕食している。
ひらひらした羽ばたきに短い滑空を交互にして飛び、獲物を見つけると上空でホバリングをし、急降下して捕らえる。よく高い上空から小さな虫類や餌を探す事ができるなと不思議に思えるだろう。だが鳥類は人間の視力の7倍もあるといわれている。しかも、チョウゲンボウは紫外線も見ることができるのだ。これにより、ネズミの尿の跡をみて巣穴が使われているかどうかを判断しているという。

ハヤブサ類は地球上でもっともスピードの速い動物として考えられている。だが、平行飛行の速度は時速約40~60キロメートルほどになり、速い種でも時速100キロメートルにみたない。チョウゲンボウはそのハヤブサ科の中でも比較的スピードが遅い鳥になる。カラスに追いかけられた映像では、危うく捕まるところだったほどだ。だが、ハヤブサ類の本当のスピードは平行速度ではなく急降下の速度にあった。ハヤブサの急降下する時の平均速度は時速200キロメートルを簡単に超えるという。
実際の記録例によれば、ハヤブサに小型の速度計を取り付けおとりになる餌を使って実験したところ、最高時速は「242マイル」387キロメートルに達していたという。しかし、信じられないスピードで地面に突っ込んでいく度胸はたいしたものである。
ちなみに、平行飛行で世界一早い鳥は「ハリオアマツバメ」といわれている。その速度は時速110キロメートルに達する。

日本では夏季に本州の北部から中部で繁殖し、北海道や四国、九州でも夏季に観察されたことがある。冬季では繁殖地に残る個体と暖地へと移動する個体で分かれるが、全国各地に冬鳥として
渡来する。
近年では自然破壊による繁殖地の減少と餌となる昆虫の農薬汚染などが原因で減少しつつある。そして、最近では大都市のビルのへこみや鉄橋の桁で繁殖することがあるという。理由としては、獲物となる小鳥が多く、天敵も少ないことにくわえ、ビルなどの建造物が用意に巣穴に変えられるからとなる。ちなみに天敵はオオタカ。

備考
日本では1953年に長野県の十三崖の繁殖地で天然記念物に指定されている。
そして、ベルギーでは国鳥として大切にされている。
現在、日本では個体数が減少傾向である。

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