テンジクネズミ

テンジクネズミ=げっ歯目 テンジクネズミ科 テンジクネズミ属
別名:モルモット
英名:Cavy Pig  or  Guinea Pig
学名:Cavia porcellus
食べ物:草類、野菜、果物
出身:南アメリカ(北西部~東部)ペルー南部、ボリビア南部、アルゼンチン北部、チリ北部
寿命:野生約3~5年、飼育約5~8年
体長:約20~40cm
特徴:丸い体、丸い目、丸い耳、前足の指が4本に後足の指が3本
生息状況:ふつう種
古名:インディアンの飼いウサギ
漢字:天竺鼠

名前を間違えられつづけ「モルモット」


生態
南米の草原や低木林を住みかとしているが高温多湿に弱い。乾いた高地の穴で生息し、群れを基本とした階級社会を形成して生活をする。妊娠期間は約60日で1度に1~4頭出産する。生まれた子供はすでに毛が生えていて目も見え歩くこともできる。早ければ、生後2~3日で親と同じ食事を取ることができるようになる。そして、1~3ヶ月で性的に成熟するため個体数が多い種になる。

18世紀の博物学者ビュフォン・ジョルジュによると、「モルモットの繁殖について計算上ではひとつのつがいが1年間に1000匹もの個体数を増やすとしている」が寒気や湿気に弱いうえネコや鳥の餌食になることが多く実際に生き残る数は多くないという。

人間と‥
テンジクネズミは16世紀にオランダの探検家によってヨーロッパへ移入された。このテンジクネズミが現在、実験動物やペットとして広く人気があるモルモットの先祖となった。
モルモットと言う名がついたのはヨーロッパ渡来当初、リス科のアルプスマーモットという動物にモルモットが似ていることにより誤認されたことがきっかけとなっているようだ。
モルモットは何でも良く食べ性質も大人しいので飼育は容易にできる。その為、医学、生物学などの実験用に飼育されるようになり、今や実験動物の代名詞ともいえる存在になった。始めは食用としても扱われていたがヨーロッパ人の口には合わなかったため、主にペットや実験動物として扱われるようになったのだ。実験用としてモルモットが特に優れていることは、人間と同様にL-グロノラクトンオキシダーというブドウ糖をビタミンCに変換する酵素を持っていないため、ビタミンCを体内で生成できないことや薬物に対する感度が高いことがあげられている。モルモットの研究によって伝染病であるジフテリアも正体が解明された。この病気は高熱や呼吸困難、嘔吐、最悪死にいたる病気だ。これだけでも何百、何千、何万という人が助かっているはず、もっと感謝していい動物なのだ。銅像でも建てるべきでは??

ちなみに、モルモットは1843年(天保14年)、オランダ人によって日本に始めて移入された。そして、「モルモット」という名はオランダ人が「マルモット」と言った発音を日本人が「モルモット」と誤って発音したことからである。
和名のテンジクネズミは「舶来のネズミ」の意
英名「Guinea Pig」ギニアピッグは「ギニアの豚」の意。ただ、これは本来ガイアナとすべきところをギニアと誤ったものらしい。
名前について、これだけ誤解され間違えて伝えられた動物もそうはいないだろう。やはり銅像は建てるべきだと思う。

備考

生息地である南米のインディオ達は食料として古くからテンジクネズミを飼養していた。そのため、テンジクネズミを初めて記載した動物誌の著者C・ゲスナーはこのネズミを「インディアンの飼いウサギ」と呼び、一度に8~9匹も子供を生む極めて多産な動物と述べたという。

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