ヒオドシジュケイ

ヒオドシジュケイ=キジ目 キジ科 ジュケイ属
英名:Satyr Tragopan
学名:Tragopan satyra
出身地:インド、ネパール、シッキム、ブータン、チベットのヒマラヤ中西部
食べ物:葉や種子、昆虫など
体長:オス67~72cm、メス約57.5cm
寿命:不明
特徴:オス、頭は黒色に青色の角状羽毛がある。喉には暗い青色の裸出した肉垂。首から下は鮮やかな赤色と小さく白い円斑模様がある。
生息状況:準絶滅危惧種、「ワシントン条約」付属書Ⅲ掲載
漢字:緋縅綬鶏

変態的求愛ポーズ

生態
標高2400~4250mの森林地帯に生息し、地上性で主に植物の葉や種子、昆虫などを食べている。標高が高く、寒さにも強いこの鳥は冬になると餌を求めて2100mくらいまで降下して生活することがある。繁殖期は3~6月になり、卵を2~3個産む。
この鳥の面白いところは繁殖期に行うオスの求愛ポーズで、岩陰などにオスが隠れメスが通るのを待つという行動から始まるという。メスが来たら、オスは喉元にある青色の肉垂を膨らまし、それと一緒に頭の上に付いている二本の角状羽毛を伸ばす。それから、羽をパタパタ鳴らし大きく膨らんでいく。最後に大きな背伸びをするように身体を上に伸ばして終わる。人間で言ったら変態だ。
でもオスの持つ身体の色彩は見事に美しく思う。↓がその映像になる。
http://www.youtube.com/watch?v=7l79rgG9bDk&feature=player_embedded

ジュケイ属は5種が存在し、ベニジュケイ、ジュケイ、ミヤマジュケイ、ハイイロジュケイ、ヒオドシジュケイとなる。その姿は大体が同じような模様をしているが、この中でもヒオドシジュケイが一番大きく、体重も約1.8㎏もあるという。そして、ジュケイ属のほとんどがレッドリストやワシントン条約に掲載されている。主な原因は森林伐採や狩などによってみたいだ。

種小名の「satyr」とはギリシャ神話にでる半人半獣(人とヤマ羊か馬)の精霊「サテュロス」から由来されたものと記載されている。特にこの鳥の角状突起物がサテュロスに似ているらしいのだが、精霊サテュロスは女遊びが好きだったようでものすごく嫌われていたみたいだ。むしろヒオドシジュケイの変態的な求愛行動の方が似ているのでは?と思ってしまう。

英名の別名では「Crimson tragopan」や「Indian tragopan」、そして「Crimson horned pheasant」とあり、別名で「深紅色の角を持つキジ」というカッコイイ名前もあるのだ。
漢字の緋縅は紅色で上から染めた紐などの意味があり、甲冑など鎧にある染物の一部。たぶん‥

ちなみに、メスは地味で全身が黒褐色、黒色と淡黄褐色の横斑と縦斑がばらばらにある。卵は淡褐色に赤褐色の斑点があり、約65×42mmの大きさだという。

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