ツバメ

ツバメ=スズメ目 ツバメ科 ツバメ属
英名:Barn Swallow
学名:Hirundo rustica
生息地:北半球の広い範囲で繁殖
食べ物:飛翔昆虫など
寿命:平均1年半
体長:約17cm
特徴:頭頂から背、翼、尾の周囲が青色光沢のある黒色。額と喉は赤褐色。胸から腹、下尾筒は白い。
生息状況:ふつう種(日本においては減少中)渡り鳥協定指定種
別名:乙鳥、 玄鳥
漢字:燕


ツバメの優れた身体能力


生態
ツバメは北部と南部を除くユーラシア大陸、アフリカ北部、北部を除いた北アメリカなどで繁殖する。冬になるとアフリカ南部、インド、東南アジア、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、南アメリカなどに渡る渡り鳥である。
日本には丁度桜が咲く頃の3月下旬から見られ、11月中旬に去っていく夏鳥として多く知られている。沖縄では渡りの時期に多数見ることがあるが、巣営はせずに休憩地点のように来るらしい。
ツバメは主に農耕地、山間盆地、市街地などに生息し、餌は飛びながら飛翔昆虫などを捕らえ、水面で水を飲む。巣作り時、泥を運ぶために地面に降りるが、通常の生活では地上に降りることは殆んどない。繁殖期になると番(つがい)か単独で行動する。ツバメの巣は泥と枯草を唾液で固て造り、ほとんどが、家やビルなどの人工物につくる。これは、天敵(猫やヘビ、カラス)から身を守るために、人家などを利用していると考えられている。産卵期になるとメスは3~7個の卵を産み、抱卵する。抱卵日数は13日~17日になり、巣立つまでは約3週間もかかる。卵は一日に1つのペースでしか産めず、個数が増えるたびに後から生まれた雛は生育環境が不利になり巣立つことができずに約50%の確立で命を落とすことが多いようだ。また、巣立った後もカラスやワシ、トンビなどに襲われることが多く、生まれたツバメが全て巣立つ確立は非常に低いと言われているほど厳しい生存競争が行われている。
 そして、ツバメは非常に珍しい行動を起こす事があり、雛を育てている間にどちらかの親鳥がかけると、その親鳥意外のツバメがやってきて育てている雛を巣から落として殺してしまう行動が観察されているという。また、番の内、メスがかけた時に複数のツバメが集り、その中から選ばれたように一羽のツバメが新たな親鳥(つがい)として子育てを継続することも確認されているようだ。番で行動するツバメたちは渡り鳥として最終的には集団で集る。この変わった行動は後に何千キロも渡るために丈夫で健康なツバメを皆で選んでいるようにも思える。もしかしたら過酷な生存競争を生き残るための助け合いなのかもしれない。
 巣立ってからも始めは親鳥から餌をもらい実践訓練を学ぶ。そして、約2週間ほどで自分で餌を取ることができるようになり、同じように育った若鳥たちと暮らし始める。その後、親鳥はもう一度産卵し子育てを始めるという。
9月中旬から11月頃、若鳥たちがアシ原を塒(ねぐら)にし集りだす。やがて子育てを終えた親鳥も集り
何千から何万羽の数が集合する。そして、涼しい風が吹き始めると南へ旅立っていくという。一般的に方角を決める手段は太陽の位置から決めていると考えられているようだが、渡り鳥の中でも夜に行動する種類がいて、この鳥は特定の星の位置で方向を決めているらしい。

ツバメの飛行能力はとても優れており、平均時速47km、渡っているときは時速55~60kmを出している。天敵に襲われるときなどは時速約100kmをだして振り切ってしまうという。そして、一日に飛ぶ距離は約300km以上にもなり、小型の鳥では郡を抜いた能力を持っている。ちなみに、平行飛行速度が世界一速い鳥は「ハリオアマツバメ」で時速約110kmをだす。


人間と
日本では一般にツバメを大切にする風習がある。ツバメは天敵を避けるために人の出入りが多い場所に巣を作るが、これを、人の出入りが多いことから商売繁盛の印にもなっている。また農業では作物を食べずに害虫を食べてくれることから益鳥として古くから大切にされてきたと言う。
このように、昔からツバメは保護されており、1892年の狩猟法で正式に保護鳥となった。だが、近年、環境のせいか日本に現れるツバメが減少してきていると言う。
オーストラリア、エストニアの国では国鳥となっている。
そして、別名ツバクロ、ツバクラ、ツバクラメ、マンタラゲシなどと呼ばれ、乙鳥、玄鳥とも書く。
条約として、「日米渡り鳥条約」「日露渡り鳥条約」「日豪渡り鳥協定」「日中渡り鳥協定」指定種。

ツバメを使った和歌や物語などは数多くあるが、自分的に一番印象なのは佐々木小次郎の「燕返し」と言う剣術名である。これはツバメが飛翔中の急旋回に優れていることから名づけられ、上から下へ、下から上へ切り抜く技になる。俺もこの技は子供の頃に何回もやったことがある‥。






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