ダイコクネズミ

ダイコクネズミ(ラット)=げっ歯目 ネズミ科 クマネズミ属 ドブネズミ種
英名:Laboratory Rat
学名:Rattus norvegicus
生息地:世界中。主にペットとして生息。
食べ物:なんでも食べるが、飼育としては穀類、野菜、野草、乾草、果物など
寿命:約2~3年(最高記録4年)
体長:体長20~28cm 尾長17~20cm
特徴:主に白色が多いが、灰色を帯びた種もいる。長い尻尾、触毛。
生息状況:ふつう種
別名:シロネズミ
漢字:大黒鼠

実りの神様


生態
ラットはドブネズミを品種改良したネズミになる。マウスと同じように実験動物として用いられ、その系統が約100種にのぼり国際登録されている。
ラットは頭の良いネズミで同じ種のグループの中では社会性をもちケンカをしない。これによりオスとメスを一緒の中で飼育する事も可能になる。また特徴である長い触毛が狭い場所に入り込むための間隔を測定し、長い尻尾は5本目の肢と言われ、物に絡みつくことができる。
妊娠期間は約21日~24日。出産後、母親と子供はオスから離し飼育させる。この時期の母親はとても神経質になり、人間の匂いなどストレスを感じると仔を殺してしまう事があるようだ。仔は5~10日間で目と耳が使えるようになり、14~16日には自ら餌を食べ始める。分娩後約20時間で発情してしまうので、子育てと妊娠期間が重なり、母親の体力を激しく消耗してしまうため、交尾をさせないようにするといい。
ちなみに、ドブネズミの生態では200匹もの群れになり、ウサギや家禽、大型の鳥などの大きい動物を襲うことがあるらしい。

歴史
ラットはドブネズミの改良種だが、起原は中央アジアと言われている。1700年代初頭にはヨーロッパ地方に到来し、ノルウェーラット、ブラウンラット(ドブネズミ)として知られるようになったという。

属名ラトゥスは、大型ネズミを指す近世ラテン語。英名のラットもこれに準ずる。
中国名の「鼠」は頭、歯、腹、尾をかたどった象形文字になり、和名ネズミでは「寝盗」の意味をもち、人の寝たあとに姿を表して物を盗み食うことに由来しているという。
いっぽう「ダイコクネズミ」という名は七福神である大黒天という神様から由来されている。昔から、米蔵にはよくネズミがいて、ネズミがいることは実りの象徴とされていたという。そこで、大黒天(豊かな実りの神様)がシロネズミに名づけられたという。

本種ドブネズミは古代ギリシャ・ローマ時代ではドブネズミなどの大型ネズミは知られておらず、博物誌などの記事にもハツカネズミ(小型ネズミ)などが載っていた。一説によるとドブネズミは十字軍が地中海東部地方から中世ヨーロッパにもたらされたと言われる説がある。
また、中世ヨーロッパではネズミは悪魔や魔女の象徴とされ、魔女はネズミに姿を変えたり、ネズミをつくることができると言われペストなどの伝染病の流行も魔女がネズミを操ったと信じられたと言う。
中世キリスト教美術では、黒いネズミと白いネズミが一対で描かれることが多く、黒ネズミが夜を、白ネズミが昼を象徴し、すぎゆく時の儚さを主題ととしていたという。
ヨーロッパでは、人間の肉体を離れた魂はネズミの姿をとると言われていた。これは、フランク王グントラムがうたた寝をしていた時、一匹のネズミがグントラムの口から出てきて、狭い溝へ走っていく姿を兵士が見ていたという。しばらくすると、そのネズミがまたグントラムの口の中へ戻り、グントラムが目覚めた。そして、「自分は鋼鉄の橋を渡って宝の家を訪れる夢を見た」と言ったらしい。そこで、兵士が先ほどのネズミが行った溝を探ってみると、宝の山が出てきたという。この話が古代ヨーロッパやインドにも広がっていき、伝染病を撒き散らすネズミは死産の子や早死した子の姿だと信じられたという。また、眠っている子供には口を閉じてやらないと、魂がネズミとなって出て行くといわれていたという。


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