ケープハイラックス

ケープハイラックス=ハイラックス目(イワダヌキ目) ハイラックス科
英名:Cape Hyrax
学名:Procavia capensis
生息地:アジアのアラビア半島、エジプト、アフリカ中部
食べ物:草木、花、きのこ類など
寿命:約10年(野生)
体長:体長30~58cm、尾20~31cm
特徴:太った体形に灰茶色の短い毛、耳が小さく目が大きい。
生息状況:地域的にふつう種
別名:ロックハイラックス イワダヌキ
漢字:岩狸

奇妙な進化をとげた原始的な動物


生態
ケープハイラックスは別名ロックハイラックスとも言い、その名の通り岩のある地域(岩の露出した場所や険しい岩山)を好み生息している。
1頭のオスが優位にたち、他のオス、メス、子どもがいる4~50頭のコロニーで生活をしている。1日のほとんどの時間を数匹の群れか一匹で過ごし、ひなたで体温を暖めたり、日陰で冷ましたりしていることが多い。これは、体温が周囲の気温の影響を受けやすく体温調節がうまくできていないことになる。
妊娠期間は7~8ヶ月、産子数は1~6頭にもなり、十分に生育され生まれたてから目が完全に開いており、毛も生えそろっている。生後2週間ほどで硬い餌を食べ、10週間で離乳する。約16ヶ月で大人になり、3年で大人と同じ大きさになる。
この動物の特徴として、前足に3本、後足に4本の爪があり、足の裏の腺からは分泌物が出ている。これは、滑りやすい岩などを登るための滑り止めのやくになっているという。
そして、奇妙な進化をしており、体形はウサギくらいの大きさで耳も小さく一見耳の小さなウサギに似ているが、長い牙をもち切歯と大臼歯(だいきゅうし)はサイに似たりと遺伝的には原始的な有蹄類(ゾウ、マナティー、ツチブタなど)に近いことがわかっているという。

歴史
ハイラックスの属名Procavia(プロカウィア)はテンジクネズミの先祖の意味をもっている。生態で述べたように体形などがげっ歯類(ウサギやネズミ)に似ていたことから付けられた名である。しかし、ある学者キュヴィエという学者がハイラックスの歯と足を研究した結果、有蹄類であることが明らかになった。今では、古代の有蹄類の生き残りといわれ、奇妙な進化をとげた動物になる。
現在その奇妙な進化したハイラックスにより古代の気候の歴史を解明する研究がされている。
これは、モンペリエ大学進化科学研究所のブライアン・チェイス氏が研究していることで、ケープハイラックスの糞尿からわかると言う。ケープハイラックスは集団のコロニーで生活をしているが、糞尿などは共同便所で排泄しており、ここで排泄物が結晶化し悪臭を放つ物質となって何層にも堆積している。この排泄物の中に古代のハイラックスが食べた草の量と乾燥度合いがわかり、非常に貴重な痕跡になっている。残された糞尿の中にはこの地域の植生変化を2万8000年前からほぼ完全にたどれるものもあるようだという。この研究がうまくいけば、将来はもっと天候予測が正確になるのはまちがいない。参考(ナショナルジオグラフィック)

 ちなみに、ハイラックスは旧約時代のユダヤ人にも知られており、聖書104章18節「高き山はヤギの住まい、岩は岩たぬきの隠れる所である」という一説があるようだ。
 それと~、スペインを示すエスパーニャ(Espana)という言葉はフェニキア語で「ハイラックスの島」と言う言葉から由来している。これは約1000年前、フェニキア人がスペインを発見したとき、その地にハイラックスらしき生き物が多くいたことにちなんでいるらしいが、実はハイラックスではなく、ナキウサギの仲間だったという。英名・和名のハイラックスはギリシャ語で「トガリネズミhurakos」の属格「フラクスhurax」から由来しているが、やはり、タヌキ、ネズミにも関係がないので、これらの名も間違った命名とわかる。
このように、ハイラックスは外見だけで名が付けられてきた。現代でも人に対し外見であだ名が付くことが多いがその言葉一つで人間は傷つくいきものだということを忘れちゃいけない。

ちなみに、僕はキューピーでした。後頭部の髪の毛がつむじにより中心に逆立っていたからさ‥。別に傷ついてはいないけどね。


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